
ちょっとしたことで骨盤は簡単に整えられるのです
呼吸を変えれば上半身の改善が自然とできる事が分かりましたが、併せて、骨盤を自然と整える秘訣も紹介しましょう。
人の体にかかる最大の力は重力です。この重力から受ける影響を最小限にする立ち方ができれば、骨盤にかかる負担を減らすことができます。それを“機能的な立ち方”といいます。
物質の形状を維持するためには強度と質量が必要です。物質が大きくなるほどより強度と質量が必要になります。以前に比べ、160センチを超える女性は珍しくなくなってきました。より強度と質量が必要になっているのですが、運動不足のために骨、筋力とも弱くなり、強度は低下しています。しかも体重まで減っているのですから、正しい骨格を維持するのは困難になっています。
以前でしたら「正しい立ち方はこうです」と教えるだけで意外とできていたのですが、最近では正しい立ち方を指導すると「からだがきつくて長く続けるのは無理です」という方が増えてきました。そこで立つときに最小限の筋肉で立つための立ち方として考案したのが“機能的な立ち方”です。
従来の正しい立ち方の指導法を試してみましょう。
・鏡の前に立ち、脚をそろえて立ちます。
・前から見て眉間・鎖骨の間・おへそ・足の間が一直線上に並ぶように立ちます。
・横から見て耳たぶ・肩・足の付け根の関節・膝の皿の後面・外くるぶしの前方2センチが一直線上に並ぶように立ちます。
いかがでしょうか。恐らく全身に力が入り、固まってしまった状態になってしまうことでしょう。これでは正しい姿勢を続けるのは困難です。次に機能的な立ち方を試してみてください。
・脚をそろえて立ち、一度つま先立ちになり踵をそろえてゆっくり下ろします。
・肛門を軽く締め、おしっこを止めるように意識します。
・下腹部を軽く上に引き上げます。
・お腹の前で左手は右手首を軽くつかみ、上半身を軽く上に伸びをします。
今度は力むことなくすっと立つことができたはずです。歪みが大きい方の場合は少し肩に力が入るかもしれませんが、その点に注意すれば難なく立てる事でしょう。もちろん、これから紹介するストレッチを行い、歪みを取り除いていけば、機能的な立ち方はより簡単に立てるようになっていくのです。