
効果を考えるなら手技にこだわった方が良いと思います
骨盤矯正とEMSについて
骨盤矯正を行う際には、単に骨盤に関する関節(仙腸関節や恥骨結合、また他の部位と間接する腰仙関節や股関節)といったところに対する施術だけではなく、骨盤周辺の筋肉(中殿筋や梨状筋、大腿筋膜張筋や骨盤底筋群、腸腰筋など)、そして体液循環(血液やリンパ)といったものを総合的に勘案して施術を行っていきます。
最近ではインナーマッスルが大切、ということで、骨盤底筋群と腸腰筋に注目する方が増えてきているのですが、実際はアウターマッスルとインナーマッスルのバランスが重要なので、特定の筋肉だけに特化した施術はかえってバランス崩す可能性があるのでおすすめできません。
また、このインナーマッスルにEMSを利用して刺激を加えようという考え方もあるのですが、EMSを利用して筋肉に刺激を入れるためには、筋肉に対して電気を流す必要があるのですが、残念なことにこのEMSは一部の機種以外は深層にある腸腰筋に対して通電することが出来ません。
この腸腰筋は座る時間が多い方ほど緊張してしまします。ヒールの高い靴を履いているとアキレス腱が固くなってしまうのと同じ状態と考えて頂くと分かりやすいと思います。EMSは基本、低周波刺激による筋力アップですから、こういった固くなった筋肉をもみほぐすにはEMSよりもストレッチの方が効果的だったりします。
もちろん、最初に書いたようにアウターマッスルとのバランスを考えなければいけないので、EMSで腸腰筋に対してのみ刺激を入れるようでは余計に痛みを引き起こす可能性もありますし、また、他の部位まで行おうとすると手技だけで行うよりもかえって時間がかかりすぎます。
最近ではEMSによる火傷も問題になってきています。骨盤矯正を受けるならやはり手技にこだわった治療院の方が良いと思います。
文責:山田光敏
この文章には著作権があります。引用・転載などはお断りいたします。2011年10月1日